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倒れたバイクを起こそうとしたら、びくともしなかった。教習所の最初の段階で、そんな経験をして落ち込んでいる方もいますよね。
結論から言うと、普通二輪の引き起こしは腕の力より、体の使い方の順番で決まります。正しい順番で動けば、力に自信がない人でも起こせる可能性は十分あります。
この記事を読めば、引き起こしと取り回しを体の動きの順番で分けたコツと、力に自信がない人のための練習ステップが分かります。
普通二輪の引き起こしとは?教習の最初に出てくる理由
引き起こしは、倒れたバイクを自分で起こす動作です。教習でも公道でも、倒した時に自分で起こせないと先へ進めないので、教習のはじめの方で練習することが多いんです。
バイクは止まっていると、少し傾いただけで倒れてしまう乗り物です。教習中に転んだり、駐車場で足をついた所が下がっていたりすると、思わぬ所で倒すこともあります。
倒れたままにはしておけないので、自分で起こす力がいるというわけですね。普通二輪の教習車は車体が大きめなので、ここで最初の壁を感じる方が多いんです。
引き起こしと取り回しの違い
似た言葉に「取り回し」があります。こちらはエンジンをかけずに、バイクを押して動かす動作のことです。
| 動作 | 何をするか | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| 引き起こし | 倒れたバイクを起こす | 教習中の転倒・駐車場で倒した時 |
| 取り回し | エンジンをかけずに押して動かす | 教習車を出す時・駐輪場での出し入れ |
| センタースタンド | 車体を真っすぐ立てて止める | 整備や長く止めておく時 |
どれも「重い物を体全体で支える」動きなので、コツは似ています。教習所によっては、入校前の確認でこうした動作を見ることもあります。
教習全体で、どこでつまずく人が多いかは普通二輪免許は難しい?で紹介しています。
体の使い方の順番で分ける、引き起こしの5段階
引き起こしは「ハンドルを切る」「つかむ」「腰を寄せる」「脚で押す」「最後は止める」の5段階で考えると、どこでつまずいているかが分かりやすくなります。
『腕に力を入れているのに、全然上がらない』という方は多いですよね。実は、腕で持ち上げようとするほど重く感じるんです。
ここでは、左側に倒れたバイクを、車体の右側から起こす場合で順番を見ていきます。

1段目 ハンドルを倒れている側にいっぱいに切る
まず、ハンドルを倒れている側にいっぱいに切ります。こうすると、手前のグリップが持ち上がって、つかみやすくなります。
MT車なら、ギアを1速に入れておくと車体が転がりにくくなります。ATの教習車は、ブレーキの使い方を教官に確かめておきましょう。
2段目 グリップと車体の後ろをつかむ
次に、片手で手前のグリップを、もう片方の手で車体の後ろの持ちやすい所をしっかりつかみます。どこをつかめばいいかは車両によって違うので、教習車なら教官に聞いておくと安心です。
ここで手の位置が遠いと、腕だけで引っぱることになってしまいます。
3段目 腰をシートに寄せて低くかまえる
つかんだら、腰をシートの横にぴたりと寄せ、膝を曲げて低くかまえます。車体と体のすき間をなくすのが、ここでのいちばん大事なところです。
『体がバイクに当たって汚れそう』と離れてしまう方もいますよね。でも、離れるほど重さが腕にかかるので、くっつく方が楽なんです。
4段目 腕ではなく脚で押し上げる
かまえたら、脚を伸ばす力で、腰から車体を押し上げていきます。腕は「つかんでおくだけ」くらいの気持ちで大丈夫です。
半分くらいまで起き上がると、急に軽く感じるはずです。そこまでは一気に、脚で押し切るのがコツですね。
5段目 起こしすぎないように止める
最後に、起き上がった勢いで反対側に倒さないよう、車体が真っすぐになった所で止めます。サイドスタンドを出しておくか、体で支えて止めましょう。
右側に倒れた時は
右側に倒れた時も、考え方は同じです。左右を入れかえて、車体の左側から起こします。
ただ、サイドスタンドは左側に付いていることが多いので、起こす前にサイドスタンドを出しておくと安心です。起こした勢いで反対側へ倒れそうになっても、スタンドが受け止めてくれます。
| 倒れた向き | 立つ位置 | 起こす前にやること |
|---|---|---|
| 左側に倒れた | 車体の右側 | ハンドルを左にいっぱいに切る |
| 右側に倒れた | 車体の左側 | ハンドルを右に切り、サイドスタンドを出しておく |
- ハンドルを倒れている側にいっぱいに切った
- MT車ならギアを1速に入れた
- グリップと車体の後ろを両手でつかんだ
- 腰をシートに寄せて膝を曲げた
- 反対側に倒さない止め方を決めた
腰や手首に痛みを感じたら、そこで止めて教官を呼びましょう。無理に一人で起こそうとして体を痛めると、教習そのものを休むことになりかねません。
取り回しとセンタースタンドのコツ
取り回しは「車体を少し自分側に傾けて腰で支える」、センタースタンドは「腕で持ち上げず、スタンドを踏む足に体重をかける」が基本です。どちらも腕の力に頼らないのがコツです。
引き起こしができても、押して歩くのが怖いという方も多いはずです。取り回しにも、体の使い方のコツがあります。
取り回しは腰で支えて目線を先に
両手でハンドルを持ち、車体をほんの少し自分の方に傾けて、腰のあたりで支えます。こうすると、車体の重さが体に預けられて安定するんです。
目線は足元ではなく、進みたい方向の少し先に向けます。止まる時は前ブレーキを軽くかけて、急に止めないようにしましょう。
| 場面 | やること | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 真っすぐ押す | 車体を少し自分側に傾けて腰で支える | 車体を真っすぐ立てたまま押して、ふらつく |
| 曲がる | ハンドルを切りながら、車体の傾きを保つ | 反対側に傾いて倒しそうになる |
| 止まる | 前ブレーキを軽くかける | 急に握って体ごと前へつんのめる |
| 下り坂 | ブレーキを少しずつかけながら進む | 勢いがついて止まれなくなる |
センタースタンドは体重で立てる
センタースタンドは、腕でバイクを持ち上げるのではなく、スタンドを踏む足に体重をのせて立てます。片手でハンドル、もう片方の手で車体の後ろの持ちやすい所を持ち、スタンドの踏み込む所に足をかけます。
スタンドの両足が地面についたのを確かめてから、足に体重をかけながら車体を後ろへ引くと、すっと上がりやすくなります。『上がらない』と感じた時は、たいてい腕で持ち上げようとしているんです。
教習車の大きさや重さの特徴は普通二輪の教習車とはで紹介しています。
力に自信がない人の練習ステップ
いきなり完全に倒れた状態から起こそうとせず、軽い所から順に慣れていくのが近道です。体の動きの順番を先に覚えると、重さの感じ方が変わってきます。
『体が小さいし、腕力もないから無理かも』と感じている方もいますよね。ただ、引き起こしは腕力だけの勝負ではないんです。
教習所の中で練習の機会があるなら、次のような順で慣れていくと、体の使い方が身につきやすくなります。練習のしかたは教習所の方針によるので、教官に相談しながら進めてみてください。
| 段階 | 練習の内容 | できるようになる目安 |
|---|---|---|
| 1 体の形を覚える | 起こす時のかまえ(腰を寄せて膝を曲げる)を、倒さずに練習する | 自然にかまえられる |
| 2 少し傾けた所から | 教官に支えてもらい、少し傾いた所から戻す | 脚で押す感覚がつかめる |
| 3 半分くらいから | 半分ほど傾いた所から起こす | 途中で止めずに起こせる |
| 4 倒れた所から | 倒れた状態から5段階の順番で起こす | 一人で起こせる |
| 5 取り回しと続けて | 起こした後、そのまま押して動かす | 起こしてから慌てずに動ける |

例えばこんな場面で考える
入校前の確認で起こせず、『自分には向いていないのかも』と落ち込んでいる場合を考えてみます。そんな時は、まず腰の位置と膝の曲げ方だけを見直してみてください。
教官から、こんな声をかけられることもあります。
「腕で引っぱらないで、腰をシートにくっつけてみて」
「あ、さっきより全然軽いです」
体の使い方を変えただけで、急に起こせるようになることもあるんです。
女性ならではの悩みや、体格に合わせた工夫は女性が普通二輪免許を取る時に知っておきたいことでも紹介しています。
普通二輪の引き起こしでよくある相談
「入校前の確認でできなかった」「小柄で体力に自信がない」「センタースタンドだけできない」の3つがよく見かける相談です。どれも、あきらめる前に体の使い方と教習所の方針を確かめてみる価値があります。
知恵袋などでよく見かける相談を、要約して答えていきます。
入校前の確認で起こせなかった
『申し込みに行ったら引き起こしの確認があって、何回やっても起こせなかった』という相談はとても多いです。入校前にこうした確認をするか、どこまでできれば入校できるかは、教習所によって違います。
まずは、どこで止まってしまったかを振り返ってみてください。腕だけで引いていたなら、腰の位置と脚の使い方を変えるだけで結果が変わることもあります。
小柄で体力に自信がない
『身長が低くて腕力もないけど、普通二輪を取れるかな』という相談も見かけます。体格だけで「取れない」と決まるわけではありません。
不安な時は、入校前に教習所に相談して、教習車にまたがったり、引き起こしの手本を見せてもらえるか聞いてみましょう。AT限定や小型限定など、車体が小さめの教習から始める選び方もあります。
センタースタンドだけができない
『引き起こしと足つきは大丈夫だったのに、センタースタンドが上げられなかった』という相談もあります。センタースタンドは、腕で持ち上げようとすると上がりにくい動作です。
スタンドを踏む足に体重をのせ、車体を後ろへ引く動きを意識してみてください。入校前にできなかった場合に補習や練習の機会があるかは、教習所に確かめておきましょう。
教習の後も役立つ、重さと取り回しの感覚
引き起こしと取り回しで分かった「自分が扱いやすい重さ」は、最初のバイク選びの物差しになります。乗り換えを考えている方は、今のバイクの行き先も早めに決めておくと安心です。
教習で苦労した方ほど、『自分のバイクは扱いやすい物にしたい』と感じるはずです。その感覚は、バイク選びでとても大事なんです。
販売店で候補を見る時は、またがって足つきを確かめるだけでなく、押して少し動かせるかも試させてもらえるか聞いてみましょう。
原付や125ccから乗り換えるなら
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よくある質問
普通二輪の引き起こしは力がないとできませんか?
腕の力より、ハンドルの切り方や腰の位置、脚で押す使い方の方が大きく関わります。順番を見直すと起こせるようになることもあるので、教官に相談しながら練習してみてください。
引き起こしのコツをひとことで言うと?
腰を車体にくっつけて、脚で押し上げることです。腕はつかんでおくだけのつもりで動かしてみましょう。
入校前の確認で引き起こしができないと入校できませんか?
入校前の確認の有無や基準は、教習所によって違います。申し込む教習所に、どんな確認があるかを先に聞いておくと安心です。
取り回しで倒しそうになるのはなぜですか?
車体を真っすぐ立てたまま押していると、少しの傾きでふらつきやすくなります。車体を少し自分側に傾けて、腰で支えるように押してみてください。
まとめ
- 普通二輪の引き起こしは、腕力より体の使い方の順番で決まる
- 「ハンドルを切る・つかむ・腰を寄せる・脚で押す・止める」の5段階で考える
- 取り回しは車体を少し自分側に傾けて腰で支える
- 力に自信がない人は、軽い所から段階的に慣れていく
- 入校前の確認の有無や基準は教習所ごとに違うので先に聞いておく





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